第2話「選手たちをよく知るべし」
今日は選手と初めて会う日だ。ちょっと緊張している。
「あまーり兄さん!もっとぴっしとして!そんな猫背じゃ選手から舐められるよ。」
エフエムは俺の第一印象を良くしようとあれこれしてくれている。
「いや。ただ今日は挨拶をするだけだから、そんなに気を引き締めなくても⋯」
「あまーり兄さんは何もわかっていないな。人は第一印象が一番大事なんだよ。今日失敗したら絶対に降格するし、その前にあまーり兄さんは解任されるよ」
妹の言うことも一理ある。素直に従っておくのが一番だ。
「それじゃ、選手の皆さんに会う前に一人ずつ予習をしていきましょう!」
「そこまでする必要あるか?」
「あまーり兄さんは認識が甘いよ。監督っていう仕事は選手に信頼されてなんぼのものだよ!」
たしかに選手からの信頼を得られずやめていった監督は数知れない。
モイーズ、モウリーニョ、コンテ。うん、しっかり予習して行こう。
ジャク・アニック
スコットランドの名門レンジャーズからのレンタル選手。ニューカッスルでプレミアリーグ出場経験もあるGK。下部リーグになればなるほどGKの存在感は増す。今期は彼ににかかっているといっても過言ではない。
ジョナサン・フラット
第3GK。ウルブスからキャリアを始めてレンタル移籍を繰り返してきた。所属したチームは23歳ながらスカンソープで8チーム目。自由移籍でスカンソープに入った今年は試合に出たくてうずうずしているだろう。
ロリー・ワトソン
第2GK。フラットよりも潜在能力があるとコーチ陣からの評価。足元の技術が高い現代的GK。カップ戦で経験を積ませたい。
アダム・ケルシー
期限付き移籍する予定の若手GK。クラブ内育成選手という貴重なステータスを持つので上手に育てたい。
バイロン・ウェブスター
体の強さは目を見張るものがあるCB。実はパスも下手ではなく、確実に味方の足元にパスを届けることができる。リーダーシップに優れ、キャプテンにするのもいいかもしれない。どうしても点が欲しい時にはCFとしてプレーすることができる。
ロリー・マッカードル
強い、高い、遅い。英国人CBとしてのすべてを兼ね備えているベテラン。右SBもこなせる器用さは似合わない。プレイ特性になぜかロングパスを狙うがある。パス6のロングパスなんか見たくないのだが⋯
キャメロン・バージェス
屈強なオーストラリア人CB。もともと移籍リストに入っていた不遇な選手。でも十分League Oneで活躍する能力を持っているな。
ハリソン・マクガーイ
足元の技術はピカイチのCB。ディフェンスからドリブルで持ち上がるプレイ特性を持っているため、3バックの右で起用するのは面白いかもしれない。こういう面白いプレイ特性を持っているとワクワクして使いたくなるな。
ジェイコブ・ベドー
チーム1の潜在能力を持つ左利きのCB。アストンビラの下部組織で育ったエリート。フンメルスのようなパスが出せるCBに育て上げたい。
キャメロン・ボースウィック・ジャクソン
マンUからのレンタル移籍選手。もう弱い方のマンチェスターではないらしいね。顔に似合わず190㎝と高身長。背の高いSBってあまりいないからうれしいね。
トム・パース
顔が中心によっている⋯前田敦子、ロシツキーの系譜。U21イングランド代表にも選ばれた期待の若手左SB。Leed Unitedからのレンタル移籍選手。ビエルサ監督にははまらなかったみたい。ボースウィック・ジャクソンとのポジション争いは熾烈だろう。
レウィス・バトロイド
もっと前田敦子似の左SB。クラブ内育成選手という立場でスカンソープにいるみたいだけど、正直能力が足りてない⋯期限付き移籍に出す可能性が高いな。
トニー・マクマホン
ミドルスブラでプレミアリーグ出場経験のあるベテラン。フリーキックが得意でロングフリーキックを狙う。スピードはないが正確なキックでチームを後方から組み叩てくれるはず。
ジョーダン・クラーク
能力的には弱点のない右SB。重要な試合に弱くケガをしやすいが、そこは多めに見ましょうか。一応右SBの一番手候補。
ジェームズ・パーチ
ドレッドヘアの守備職人。中盤から後ろのポジションならどこでもこなせるすごい方。ニューカッスルで3年間プレミアリーグを戦ったこともある。こういう選手がベンチに座っていると安心できる。
レヴィ・サットン
生え抜きのボランチ。スタミナや運動量が豊富な汗かきタイプ。クラブ内育成選手という肩書がなければ真っ先に放出してしまうような能力なのが残念なところ。
ファンソ・オジョ
タックル14、マーキング15という守備能力が優れているように見えて、テクニック14、パス13、ひらめき14と攻撃面も優れたオールマイティー。エールディヴィジ(オランダ1部)で普通に活躍していたベルギー人。なぜかスカンソープに所属している。多分弱みを握られたのだろう。
マティー・ランド
ボールを受けに下がり、試合のテンポを作る。プレイ特性は神。銀髪の神がかっこいい。北アイルランド代表経験がある。
ジョージ・ホーンショウ
運動量豊富でどこにでも顔を出せるCMF。クラブ内育成選手なので大事に育てたい選手。今シーズンはレンタル移籍が最適かな。
オルフェラ・オロモラ
アーセナル産、サウサンプトン育ちの若手FW。168㎝と小柄だが、スピードは目を見張るものがある。カーブボールを蹴るプレイ特性は珍しいもで好み。今シーズンはレンタル移籍の可能性大。
クライトン・レウィス
ニュージーランド代表の攻撃的MF。ニュージーランドの香川といったら大げさか。狭いスペースで受けてスルーパスを通してくれた絶頂ものだな。
アダム・ハミル
リバプール出身のWG。サイド問わず起用できるのはいい。ひらめき、視野が高いので面白いプレーをしてくれそう。ロングシュートも得意。
ジョシュ・モリス
前回エフエムと話したスカンソープのキープレイヤー。やはり能力値は高い。スピードで切り裂くようなプレーは望めないが、正確なキックと豊富なスタミナでファンに愛される選手だろう。
ライアン・コルクロー
ドリブルはリーグ内でもトップクラス。スピードとテクニックが高い次元で融合する脅威的なドリブラー。左サイドからのカットインが十八番。でもモリスやハミルもいるので右サイドでの起用も増えそう。
ヤシン・ベン・アル・ムハーニ
ひらめき19は魅力的だが、欠点の多い選手。期限付き移籍の予定だがプレシーズンで結果を残せば開幕スタメンもあり得るかも。
ジョージ・トーマス
レスターからのレンタル移籍選手。昨年レスターがLeague Oneのチームから買い取った。ポストヴァーディ―のにおいがプンプンするぜ。ウェールズ代表にも呼ばれたスター候補。
ジョーダン・ハラム
唯一のトップ下適性選手だが能力が足りてないな。一応期限付きに出してあげて様子を見たい。
リー・ノヴァク
運動量、スタミナ、健康さ、勝利意欲が高い、岡崎選手みたいなストライカー。正確なシュートを打つというプレイ特性が似合っていない。とにかく走りまわって相手DFにプレッシャーをかけていってほしい。FWとしては嫌かもしれないけど点数は気にしないから。
カイル・ウートン
こういう顔の人よく見かけるよね。体の強さを生かしたポストプレーが持ち味。クラブ内育成選手なのでトップチームには入ってもらう。今のところ3番手か4番手といったところ。この評価を覆してほしい。
ケヴィン・バン・フェーン
2014年からスカンソープに所属していて、今年復帰した元エース。オランダ人らしいテクニックがあるFW。スペースに飛び込まないプレイ特性は本当に珍しいのでうまく使いこなしたい。
「うん。こんなものかな」
「しっかり予習した?」
「ああ、ばっちりさ。スカンソープはいい選手が多いな。これから自己紹介するのが楽しみだ」
スカンソープユナイテッドの選手たちの能力は高い。その能力を引き出してあげるのが監督の役目だ。これからしっかり頑張らなくては。
エフエムが小声でつぶやく。
「すごいかっこいい。やっぱり好きだな⋯」
「え?何か言った?」
「何でもないよーだ。早く選手のところに行こう!」
エフエムが俺の手を引き、駆け出す。俺は苦笑しながらエフエムについていく。
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